ZIBR(ゼロ過剰ベータ変量効果モデル)について

ZIBR(ゼロ過剰ベータ変量効果モデル)とは

ZIBR(Zero-Inflated Beta Random Effect model)は、「腸内細菌叢の存在量」と「臨床的指標などの共変量」との関連を縦断的に分析できるモデル。このモデルでは、腸内細菌叢データの特徴(例えば、ゼロが多い、分布が歪んでいるなど)、同じ対象者に対する繰り返し測定データ間の相関などの問題を考慮して分析を行う。

多くの場合は、縦断的に繰り返し測定されたデータの解析には線形混合効果モデルが用いられるが、腸内細菌叢データに対してそのモデルを適用することは適切とは言えない。

このモデルには、下記の両方のコンポーネントが含まれている。

1つ目は、サンプル中にある腸内細菌の属や種が存在するかしないかをモデル化したコンポーネント(例えば0=存在しない、1=存在する)。→ロジスティック回帰
2つ目は、存在量がゼロではない腸内細菌の存在をモデル化したβコンポーネント。→β回帰

また、両方のコンポーネントにおいて、同じ被験者に対する繰り返し測定による相関関係を考慮したランダム効果が加えられる。

ZIBRの論文は2016年に発表されているが、実際に腸内細菌研究で用いられているのだろうか。調べてみたところ数件の論文をみつけたが、一つだけメモとして。

Wastyk HC, Fragiadakis GK, Perelman D, Dahan D, Merrill BD, Yu FB, Topf M, Gonzalez CG, Van Treuren W, Han S, Robinson JL, Elias JE, Sonnenburg ED, Gardner CD, Sonnenburg JL. Gut-microbiota-targeted diets modulate human immune status. Cell. 2021 Aug 5;184(16):4137-4153.e14. doi: 10.1016/j.cell.2021.06.019. Epub 2021 Jul 12. PMID: 34256014.

欠損値について

縦断的データにおいて、欠損データを処理することは、データ資源の無駄を避け、誤った結果の解釈を避けるうえで重要だ。

しかし、2021年9月17日に確認した時点では、このZIBRパッケージは欠損データの処理に対応していない

そのため、各調査時点で欠測のある行は除いておく必要がある。
(すべての調査時点で同じ数の対象者のデータが揃っている必要がある)
もしくは、平均値や中央値を代入することが提案されている。

参考

GitHub – chvlyl/ZIBR: Zero-Inflated Beta Random Effect model

Chen EZ, Li H. A two-part mixed-effects model for analyzing longitudinal microbiome compositional data. Bioinformatics. 2016 Sep 1;32(17):2611-7. doi: 10.1093/bioinformatics/btw308. Epub 2016 May 14. PMID: 27187200; PMCID: PMC5860434.

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