isSingular() 関数がしてくれること

isSingular 関数とは

Evaluates whether a fitted mixed model is (almost / near) singular, i.e., the parameters are on the boundary of the feasible parameter space: variances of one or more linear combinations of effects are (close to) zero.

isSingular: Test Fitted Model for (Near) Singularity in lme4: Linear Mixed-Effects Models using ‘Eigen’ and S4 (rdrr.io)

isSingular関数は、適合させた混合モデルが(ほとんどor かなり近く)特異(singular)であるかを評価してくれるもので、

返し値は、TRUEまたはFALSEです。

> isSingular(x, tol = 1e-4)
[1] TRUE

上記のコードを用いて、モデルの特異点の有無を調べることができます。xにはそのモデルを示すオブジェクト名を入力し、tolは特異点を検出するための数値的許容度です(1e-4、すなわち0.0001)¹。

返し値は、先述の2通りで、

と解釈してよいと思われます。そして、TRUEの場合はモデルを見直す必要がありそうです。

では、なぜこれを見直す必要があるのか。

特異性とは何かを確認してみると、

数学において、特異性(とくいせい、singularity)とは、適当な枠組みの下で考えている数学的対象が「定義されない」「よく振舞わない」などと言ったことを理由に除外されること、もの、およびその基準である。特異性を示す点を特異点(とくいてん、singular point)という。

特異点 (数学) – Wikipedia

整理する

以下、私の勝手な解釈です。

  • 混合効果モデルを用いた解析において、あるグルーブの間に分散がない(またはほとんどない)場合、そのモデルを適合させるのは適切ではなく、その分散の有無(変動の有無?)を検出してくれるのがisSingular関数である。
  • 反復測定分散分析では、同じ被験者からの繰り返し測定データを解析できるが、繰り返し時点や被験者ごとの変動を考慮することができない。しかし、混合効果モデルは変量効果を取り入れることによって、それを考慮することができるという利点を有している。⇒混合効果モデルではせっかく「変動」を考慮できるのに、そもそもその「変動がない=特異」場合に混合効果を用いるのは不適切なのではないか?
  • 混合効果モデルの説明でよくいう「変動」と「分散」の意味の違いを調べる
  • この警告がでたら、グラフで分散を確認してみる(本来は混合モデル実行前に確認するべきだった)
  • 各グループの平均値を計算して、比較してみる。
  • 混合効果モデルにおける特異点は、分散がないまたはほとんどない点のことだと思う。
  • 本当に混合効果モデルを使う必要がある、または回帰式は適切なのかを検討する必要がある。
  • ランダム傾きが多すぎる場合にもこのエラーがでる?²

そういえば、グループを示す変数は因子型にするけど、被験者IDは因子型か実数型かどちらにして解析すればよいのか

参考

1 isSingular: Test Fitted Model for (Near) Singularity in lme4: Linear Mixed-Effects Models using ‘Eigen’ and S4 (rdrr.io)

2 r – Why is this linear mixed model singular? – Cross Validated (stackexchange.com)

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